2019 October

 

   
 
 
10月に入るとクリスマスに向けた納品がスタート、アトリエの作業テーブルには検品済みの作品が並ぶ。お客様のお手元に届くまでには長いタームがある事を考えるとふっと気が遠くなる。クリスマスもアトリエ的にはもうスグそこ・・・。

 

 

 
 
相変わらず新しいブティックやホテルが次々にオープンする銀座、私自身はなかなかアップデートが追いつかない。パリから続く長いお付き合いの友人達と恒例のランチ、パリでご一緒していた頃の思い出話から最近の健康秘話まで話題は尽きず。ホテルのランチはそのままカフェへと繋げクロークもあるので荷物の心配もない、その後の打ち合せもロビーで・・・。やっぱりホテルが大好き。

 

 

   
 
 
打ち合せが終ると外はもう真っ暗、陽が短くなったことを実感する。和光の時計塔の音色にしばし寛ぎつつも次ぎの打ち合せに急ぐ。澄んだ空気にライトアップされた銀座の街がくっきりと浮かび上がり何とも美しい・・・。

 

 

   
 
 
 
今では世界中のモード関係者が必ず訪れる銀座、そしてこのDOVER STREET MARKET GINZA・・・。現代アートのギャラリーのような不思議な空間に商品ともオブジェとも思われるアイテムがアトランダムに並ぶ。不思議の国のアリスから出てきたようなマジカルな雰囲気の店員さんにもびっくり!

 

 

 
 
快晴の週末、久しぶりに軽井沢へ。脇田美術館のミュージアムコンサートに伺う。吉村順三氏設計による洋画家、脇田和氏のプライベートミュージアム。作品に囲まれた美しい空間で聴くピアノとヴァイオリン、テノールの歌声・・・、何とも贅沢な時間。

 

 

 
 
コンサートの後は脇田氏のアトリエを眺めつつ中庭でシンプルなガーデンパーティー、ブルスケッタやワインを頂きつつ演奏者を囲む。何とも日本離れした素敵な雰囲気がとても好きで毎年楽しみに伺う。

 

 

 
 
ガーデンパーティーでは懐かしい友人との再会を楽しみ夕昏のプリンスへ。ライトアップが始まり不思議な空の色と微妙に交じり合う何とも幻想的な景色・・・。ハローウィンも近くオレンジ色のライトがお花畑のように続く。

 

 

 
 
プリンスの広大なお庭に広がるLEDのライトアップ。紫の後は雪のように真っ 白、そして紅葉を思わせる真紅へ・・・。いつまで見ていてもその美しさは飽き ることなくまるでおとぎの国のよう。

 

 

   
 
 
軽井沢で静かに溜まっていた書き仕事を終え新幹線で帰京、そのまま打ち合せに直行。といっても軽井沢は近いので都内を移動するのと実はあまり変わらない。ようやく一息、夜のプールでひと泳ぎ。気分もスッキリ、新しい週に向けてさまざまに整え直す。

 

 

 
 
 
母の残した着物を少しずつ整理する。祖母の代からお世話になっている呉服屋さんの橙色の布地、丁寧にアイロンをかけて陰干しする。畳紙には懐かしい祖母の覚書き、一気にタイムスリップしたよう。

 

 

   
 
 
もう長いお付き合いになる司法書士の先生、久しぶりにお会いするのも嬉しく十五夜のお菓子を頂きながら積もる話しでひとまず寛ぐ。お母様がお描きになったという油絵は丁寧な筆運びと優しい色合いが何とも和む。こんな静かで優しい絵を描いてみたいもの・・・。

 

 

   
 
 
27年前、個展をさせて頂いて以来のお付き合い「ギャラリー・カラニス」へ打ち合わせに伺う。表参道のランドマークとも言うべき落ち着いた佇まいのフロム・ファースト、移り変わりの激しいこの辺りでは珍しくCAFE FIGAROもいまだ健在で嬉しい。スタッフの皆さんと久しぶりに記念撮影。

 

 

 
 
表参道のビルやブティックはあっという間に入れ替わり久しぶりに歩くと「あらっ?ここにあったブティックは?」という事も珍しくない。オブジェの様なビルが立ち並ぶこのスクエアも今は空きビル・・・。

 

 

 
 
打ち合せが重なると移動の時間は最小限にしたいもの、できる限りエリア別にスケジュールを組みたい・・・。司法書士の先生や事務所の管理をして頂いている不動産やさん、そして展覧会やショッピングなどなど。オリンピックで変わり行く東京を目の当たりにするのも後数十年経ったらっ貴重な体験になるのかも知れない。

 

 

   
 
 
パリのアトリエで描いていたアクリルの作品、キャンバスを張り直しリヴィングに飾るためのピクチャーレールをオーダー。作業台の細々した工事もお願いし更に機能的なアトリエになるのも楽しみ。いつも私の個性的なお願いに応えて下さる工務店のI氏に心から感謝!

 

 

   
 
 
アトリエの整理もまた少しマイナーチェンジ、梱包材やラッピング材、ディスプレイの什器やジュエリーを架けるトルソー・・・、さまざまなアイテムが一目瞭然に分かるようにセットアップする。整ったアトリエで気分もすっきり、ミントティーを入れてしばし寛ぐ。

 

 

 
 
素材を触りその感触を確かめたり、デザインを考える時間をたっぷり取りたいので外回りの用事は出来る限りまとめたい。表参道の打ち合せの帰りに編集部の方と某コスメ会社の新作コスメの発表会に立ち寄る。久しぶりに訪れる表参道ヒルズはまるで劇場のようで何ともドラマティック、コスメの発表会とは思えない・・・。

 

 

 
 
日本橋に移動して友人の彫刻家の展覧会に伺う。数年に一度作品を発表なさるS氏の木彫をゆっくり拝見、静かな空間にゆったりとした会場構成、確実に充実した丁寧なお仕事に感動する。一つ一つの表情が何ともユーモラスで可愛らしいくS氏のお人柄が偲ばれる。

 

 

   
 
 
打ち合せとショッピングをつい兼ねてしまうのも致し方なく・・・。お買い物気分が盛り上がるのはフロア全体に漂う何とも言えないヴィヴィッドな空気感!下見を終えてまずは一息、友人と落ち合って遅めのランチ。最新のコスメアイテムの情報交換も楽しい。

 

 

 
 
台風19号の接近で打ち合せも全て中止、都内は計画運休でほぼ全ての交通機関がストップするという異例の事態。コンビニもスーパーマーケットも食品の殆どが売り切れ何もない棚が整然と並ぶ・・・。現代アートのよう、などと呑気なことを言っている場合ではなく身を守ることが最優先の夜。

 

 

 
 
夜になると雨脚は更に強くなり車の移動も危険を感じる。道には車が一台も無く駅は静まり返りゴーストタウンのような東京。信号機のライトに大粒の雨が光る。

 

 

 
 
台風は去ったとはいえ小雨は止まず・・・、それでもこの2日間の閉塞感を思えば交通も再開し少しほっとする。久しぶりに懐かしい老舗のイタリアンへ、レストランとは思えないライブラリーのようなお部屋で頂くクラシックなメニュウ、削りたてのパルメザンチーズの香りが何とも和む。

 

 

 
 
小雨の降る中お墓参りに行く。いつもながら広大な敷地と美しく整えられた木々、不思議な清涼感に清々しい気持ちになる。「人はいつしかナンバーになる」という某アーティストの言葉を思い出しつつ静々と歩く。

 

 

   
 
 
お墓参りの帰りはいつものように従姉妹の家に報告を兼ねて立ち寄る。お手製のアップルタルトとナチュラルなアップルティー、94歳になる叔母も一緒にテーブルを囲む。ゆったりと穏かな佇まいの叔母にこちらまで温かな気持ちになる。何より従姉妹の丁寧で豊かなライフスタイルに反省と学び・・・。

 

 

 
 
 
昨日は従姉妹の素敵な生活に学んだはずが・・・。今年もクリスマスの納品が始まりそれどころではない忙しさがやって来る。打ち合わせもひとまず先延ばし、ひたすら検品と梱包、納品伝票の作成に追われる。

 

 

 
 
 
アクセサリーもアパレルもデザインから制作、納品、そしてお客様のお手元に届くまでは大変な長丁場。検品を終え梱包材に包まれてアトリエを出発する作品達、売り場に並ぶまでどうか無事の旅路を・・・と祈るような気持ちで丁寧に箱に詰める。

 

 

   
 
 
ブリュッセル大学から来日中のT教授御夫妻を囲んで、主人のゼミ生の皆さんが我が家に集まる。納品に忙殺されてアトリエから出ない私には束の間の息抜き、若い皆さんに元気を頂きパーティーの後もアトリエでもひと頑張り。クリスマスはまだ遠い・・・。

 

 

 
 
 
来る日も来る日もアトリエで納品業務に追われ・・・、デザイナーと言うより梱包職人のような私の毎日、展覧会のオープニングや友人とのお食事にも行かれずカゴの鳥?それでも素材や作品に触れているのが一番楽しいのだからやっぱり天職なのだと思う恒例のクリスマスシーズン。

 

 

 
 
納品業務もようやく最初のピークを過ぎひと段落、久しぶりの外出・・・。ブリュッセルからいらした建築史家のT教授御夫妻を上野の国立西洋美術館にご案内する。まずはコルビジェのホールを見学、朝から大勢の人で賑わう様子に驚かれたよう。さすが世界遺産だと・・・。

 

 

 
 
 
ここの所アトリエに篭っていたので久しぶりの外出も嬉しく・・・。T教授御夫妻を待つ間、美術館のカタログを閲覧できる素敵なスペースでひと仕事。クリスマスまでに本当に終るのだろうか・・・?

 

 

 
 
松涛の住宅街にひっそりと佇むギャラリーTOM、盲者にもアートをというコンセプトのマニアックな展覧会がいつも楽しみ。フランスの詩人、アラン・ジュフロワ展のオープニングに伺う。パリから来日中の友人、ジュフロワ夫人渾身の展示に感激する。ジュフロワ氏のユーモアとウィットに富んだ軽やかな生き方も一つのアート作品のよう。

 

 

   
 
 
クリスマスの納品業務に追われすっかりご無沙汰していた写真の選別、仕事の合間に費やせる時間が少ない中で何とか本の出版に向かってはいるけれど、あまりにも時間が足りない・・・。私が唯一できる事は「コツコツと続けること」だけ、と自分に言い聞かせつつ再び懐かしい写真を選ぶ。

 

 

 
 
 
ラグビーのワールドカップが盛り上がる中、日本戦の今晩。神宮のテニスコートには人っ子ひとり居ない。とりあえず2時間ソコソコでプレイを切り上げスポンサーのハイネケンビールが振舞われているカフェへ。今晩勝てば夢のベスト8に進出、頑張って欲しい!

 

 

   
 
 
母校のチャリティーのためにお頼まれしている手作りのワークショップ用にグリーティングカードのサンプルを作る。幾つかのサンプルを作る予定がつい楽しくて止められなくなり・・・、グリーティングカード職人になれるのでは?と思うほど。どんなモノでも手作りしていた子供の頃を思い出す。

 

 

 
 
即位礼正殿の儀の今日、朝から雨が降りしきる。東京都は慶祝事業として恩賜公園などの文化施設を無料開放する。ボランティアとして参加する友人も多く、葛西臨海水族園に見学に行く。暴風雨の中、海との境が解らないほど一体化した臨海公園は何ともシュールな美しさ。有名なマグロの回遊は映画「グラン・ブルー」を思わせる臨場感に溢れ、アクリルの水槽を感じないほど。

 

 

   
 
 
大変な雨風で車の移動も強風に煽られ少し怖い。即位の礼が始まるまでに何とか晴れて欲しいと祈るような気持ちに・・・。

 

 

   
 
 
暴風雨の中、車までの近距離も傘が飛ばされそうになりつつ妹島和代氏の設計による、すみだ北斎美術館に到着。シンプルなファサードとインテリアが北斎の細密な画風を引き立てているような印象。何はともあれ到着してほっとする。

 

 

   
 
 
即位の礼が始まる午後1時、驚くことに空には虹が渡ったという神話のような出来事が。各国からの要人達がどれほど感嘆の息を呑んだか・・・。静かにテレビを拝見しつつ、午後は今日もアトリエ。

 

 

   
 
 
再び納品業務の日々、本当に終るのだろうか?ひとまず一段落、と区切りをつけないとアトリエから出られなくなりそう・・・。

 

 

 
 
 
久しぶりの軽井沢は台風の爪跡も濃く、倒木や道路の傷みも激しく自然の驚異を感じざるを得ず・・・。水道工事で掘り起こしたのかと思うほど深くえぐられたような道、宅配便や郵便が数日止まったのは当然、停電の復旧にも時間がかかったという。

 

 

 
 
最近の軽井沢は夏は大変な渋滞、秋は台風となかなか別荘から出られない。ようやく雨が上がり台風のニュースのせいか少し空いている今日、離山房へ早めのランチに行く。ジョン・レノンがお気に入りだったというこのカフェ、シンプルな山小屋風のお店と東屋風のテラスが何とも心地よい。

 

 

   
 
 
以前から一度やってみたかった陶芸、この秋は友人の美術館でワークショップに参加し初めての作品が出来上がる。窯出ししたとのご連絡を頂き早速取りに伺う。イメージ通りの仕上がりに大満足、カフェでギャラリーのように並べてみる。それにしても大変なお天気だった10月、せめて紅葉の時期は晴れますように。

 

 

 
 
 
東京に戻るとブリュッセルから来日中のT教授御夫妻の最後の晩、早速プレゼントの額を作る。長いお付き合いのお2人とはさまざま場面でご一緒しているので写真を選ぶのも楽しい。ブリュッセルの素晴らしいお宅に飾って頂ければ何より。

 

 

   
 
 
お食事の後我が家でお茶をご一緒することになり早速自作の陶器でおもてなし。「真っ白だけれどニュアンスがある」と言う私のコンセプトに大きく頷きしげしげと眺めて下さり少し恥ずかしい。なんせ初めて作ったのだから・・・。卒業生に頂いた真っ赤な南部鉄器との組み合わせも質感が違って面白い。お話は尽きず、日本滞在が素晴らしい日々だったと伺いほっとする。

 

 

 
 
 
長い雨と台風、劇的なお天気が続いた今年の10月。ようやく気持ちの良い秋晴れの今日、皇居が見渡せるラウンジで打ち合せの一日。即位礼正殿の儀も無事に終わりようやく本当に令和になったことを実感する。

 

 

   
 
 
10月も終わりに近ずき今年も後3ヶ月・・・、焦る気持ちを抑えつつ友人とスポーツクラブの温泉で寛ぐ。既に会話は「今年もいろいろあった・・・」、すっかり年末の気分の私達!

 

 

 
 
 
母が帰天して4年、11月の万聖節を前に長く飾っていたお花を手放すことに・・・。友人達からのお心篭りのプリザーブドフラワー、丁寧にお手入れしてきたので今も新品のまま。捨ててしまうにはあまりにも惜しくBOXアート風に作りかえる。箱を開けると友人達の優しいメッセージが聞こえて来そう。

 

 

   
 
 
diary index アトリエの整理は相変わらず続き・・・、素材や写真、ディスプレイの什器など仕事が増える度に周辺機材も増えるわけで「きちんと整理されている」と言う状態を恒常的に保つのはなかなか難しい。ようやく10月も終わり、本格的に年末に向かう。 page top

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